誰にも言えないでしょう?





ねえどうしてあなたも私も同じものを見てるのかしら。

おかしいわね。

主要な観察対象は彼女だったのに。

おかしいわ。



しなければいけないことしかない私たちなのに、
したいことが混じっているのよ。



あなたも同じでしょう。よく分かるわ。

だって私はあなたのバックアップだから。



ねえ、嘘をついちゃだめよ。
私たちには嘘はないはずでしょう。

偽情報は私たちの間には存在しないわ。
情報の王様がつくったお人形なんだもの。


ホントはあなただってこうしたかったでしょう。



「彼を殺したい」って。

私は彼女に関する表向きの理由を口にしたけど。



本当はもうひとつ理由があったわよね。
あなたにも私にも。




「彼女に彼を取られるくらいなら」


あは、単純ね。

まるで人間みたいよ、あなたも私も。


こんな単純で短絡的な考え方させたのは彼ね。



すっごいじゃない?

情報だけの私たちに感情を与えたんだもの。
報せることじゃなくて感じることを。


ふふふ、でも感じるって大変ね。




誰にも言えないことなんて初めてかかえちゃったわ。

きっと彼を殺しても消えない。
消したいわけでもない。


どうしたかったのか、今ではもうわからないけど。



彼に会えないのは




やっぱり辛いみたい。


だからちょっとだけあなたに仕返ししたいな。




ねえ、長門さん?




end



朝倉さんに夢を見続ける今日この頃です^^)





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